今年は梅雨入りが例年に比べて遅くなりましたが、最近は悪天候で暑く湿度が高い日も増えてきました。
春の花粉症は例年GW頃に終了することが多いため、GW後には症状は落ち着かれると思いますが、夏の花粉症をお持ちの方はGW過ぎても鼻症状でお困りの方もいらっしゃいます。
夏の花粉症のうち、頻度の高いものとしては、カモガヤ、オオアワガエリなどのイネ科花粉症です。4月から秋ごろまで症状が続きます。イネ科の雑草は似たような抗原を持つため、複数のイネ科に反応していることもあります。
ヨーロッパでは、カモガヤは牧草として用いるためカモガヤアレルギーの方が多いです。日本にはヨーロッパから牧草として輸入されましたが、繁殖力が強いため野生化したものが空き地や道端、川沿いに生息しています。
イネ科花粉はスギ花粉よりも飛散距離が短く、十数メートルから数百メートル程度までと遠くに飛ばないので、夏には公園や河川に近づかないことで夏の花粉症を予防できる場合もあります。
イネ科花粉症の治療としては、スギヒノキ花粉症と同様で、症状が強い場合には抗アレルギー薬を用いて症状を抑えることとなります。
また、イネ科の牧草(チモシー、オーチャードグラス)はウサギやネズミの飼育に使用されるため、ペットアレルギーとしての原因にもなり得ます。この場合にはハウスダストやダニと同様に季節は無関係に鼻炎症状が続きます。
夏になっても鼻炎症状が続いてお困りの方は、イネ科花粉症があるのかどうかを血液検査で調べられてみても良いかと思います。