聞き取り困難症/聴覚情報処理障害につきまして

暑い日が続いております。あまりに暑いのでエアコンを使用するのですがエアコンの温度管理がうまくいかない時には体が冷えますので体調管理が難しいと感じているこの頃です。

さて、以前のブログでも「聞き取りにくさ」についてお話ししたことがあります。

聞き取りにくいと感じておられる方の中で、静かなところや、1対1での会話では問題がないのに、複数の人との会話や騒がしいところでは聞きたい言葉が聞き取れない方がおられます。

このような方の中で、音の聞こえの検査や言葉の聞き取り検査で異常を認めない場合には「聞き取り困難症」を疑います。日本では120 万人程度の患者さんが存在する可能性があると考えられており、主に職場での会話や学校の授業が聞き取れなくて困られることが多いです。

診断には耳鼻咽喉科の診察と聴力検査を行い、耳垢や中耳炎や難聴などの異常があるかどうかを確認し、異常を認めない場合に聞き取り困難症の可能性を考えます。

聞き取り困難症は、聴覚情報を処理する部分の問題だけではなく、認知、特に注意の問題、記憶の問題、語彙や理解など言語の問題などが複合的に関係していると考えられています。病態を把握するために聴覚情報処理や、発達などの検査を行うことが望ましいとされておりますので、疑われる患者様は病院へ紹介させていただくことがあります。

聞き取り困難症に対する対応としては、補聴援助システムを利用したり、騒音抑制機能付きデジタル耳栓を用いることが有効な場合があります。また個々の患者様の聞き取りにくさに応じた対策・適応策を考えること、周囲の方々の理解を深めてどのように支援するかを考えることなどが重要と言われています。