新年になって暖かい日や風の強い日もあるためか、花粉症の症状で受診される方がいらっしゃいます。
そのような方々は受診されて開口一番、私は毎年1月になると鼻みず、くしゃみが出ます、とおっしゃいます。
日本気象協会のHPによると、関西は1月現在では飛散開始前となっており詳細な花粉情報はまだでていないようです。
また、今年の大阪のスギ花粉症の飛散開始日は2月20日となっています。飛散開始日は1cm2あたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した時の最初の日となっているため、実際にはこの日よりも早くからスギ花粉の症状を訴える方が多いです。
今年の飛散量は例年に比べて少ないと言われていますが、昨年はスギ花粉の飛散が非常に少なかったため、昨年に比べると多いとされています。
スギ花粉症の治療については、まずは抗原回避、つまり花粉を避ける行動が必要です。最近では新型コロナの影響で家にいることが増え、また普段からマスクを着けていることが多いので、それだけで抗原回避になると思います。いろいろなマスクがある中で、花粉症状が強い方には花粉をブロックするバリア性の高いマスクをお勧めします。また帰宅時には手洗い、うがいなどもお願いします。
病院では、薬の内服や点鼻薬の治療を行っています。標準的な内服治療で症状が楽にならない重症スギ花粉症の方は、舌下免疫療法を検討します。ただし治療開始は花粉飛散期を避ける必要があるため、6~11月頃となります。手術も同様に、スギ花粉飛散期に手術をすることは一般的には避けられています。また昨年からは 重症スギ花粉症の方に アレルギーを強くおさえる生物学的製剤の薬が使用できるようになりました。これは症状の出る1~4月の間に、月に1~2回の注射を行います。高額な薬ですが、花粉症状に苦しんでおられる方は一度検討されてもよいでしょう。
毎年花粉症状に悩んでいらっしゃる方ははやめに備えておきましょう。