しげのぶ耳鼻咽喉科アレルギー科

はなの症状

こんな症状の方はご相談を

  • くしゃみや鼻みずが止まらない
  • ねばくて色のついた鼻が出る
  • 鼻つまりがある
  • 鼻血がでる
  • いびきをかいている
  • においが分からない
  • 頬やおでこ、目の周りが痛い

鼻のはたらき

鼻には、主に2つの大きな機能があります。ひとつは、空気の通り道としての役目です。
鼻から吸い込まれた空気は、鼻腔などを通る際に細菌や有害物質などが取り除かれ、適度に空気を温め加湿してから肺に送り届けられているのです。

また、もうひとつの機能としては匂いを感じる感覚器としての役目があります。腐敗物やガスなどの悪臭を感知することで危険から身を守ったり、食べ物の匂いをかいで食欲が進んだり、アロマなどの香りを楽しむことでリラックスすることができます。

このように、鼻は呼吸、匂い、さらには声の響きをつくったりなどの大切な役割を果たしているのです。そのため、鼻の病気に罹患すると、生活の質が著しく低下します。


主な鼻の疾患

かぜ(症候群)

かぜ(症候群)とは主にウイルス感染によって急激に起こる呼吸器系の感染症をまとめたものです。症状は、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳などの局所症状と、発熱、体のだるさなどの全身的な症状です。原因となるウイルスの種類は200以上といわれています。細菌性の主なものには溶連菌があります。季節的には秋から冬にかけて多いのですが夏かぜといわれるものもあり、かぜは一年中起こります。ウイルス性の軽いかぜに対しては、主に症状を和らげるための薬を使いますが、免疫力を落とさないように安静にすることと睡眠を十分にとることが大切です。また溶連菌感染や細菌感染を疑う場合(副鼻腔炎、中耳炎、扁桃炎など)には抗生剤を使用します。かぜは飛沫感染や接触感染でうつるので手洗いやうがいやマスクが有効です。また、発熱や体のだるさが主な症状で、鼻やのどの症状がない方はかぜではなく他の病気のこともあり注意が必要です。

急性副鼻腔炎

顔の骨の中にある空洞を副鼻腔といい、ここに鼻から細菌やウイルスが入り込んで増えると副鼻腔炎が生じます。鼻づまり、黄色い鼻水、頭痛などの症状が現れます。抗生剤などの薬の服用を行って治療します。

慢性副鼻腔炎(ちくのう症)

副鼻腔の炎症が慢性化して3カ月以上続くものです。副鼻腔と鼻腔をつなぐ道が狭かったり、粘膜の線毛運動が悪くなったりして炎症が続きます。

好酸球性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎のうち、主に好酸球という白血球の1成分が、鼻茸や副鼻腔の粘膜に多く見られる副鼻腔炎です。成人で発症することが多く、とてもねばい鼻みずに加え、鼻茸や嗅覚の低下を認め、喘息を持つ患者さんに多く合併します。CT検査や血液検査を行って診断します。抗アレルギー剤やステロイド薬、鼻の洗浄などを行って治療を行います。手術治療を検討することもありますが再発することもよくあります。最近では難治性の副鼻腔炎に対して生物学的製剤を用いて治療を行うようになってきました。これは副鼻腔炎を悪化させるアレルギー反応の一部を止めて炎症を抑える新しい治療法です。この治療で良好な結果を得られることが報告されてきています。

非好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎以外の副鼻腔炎をこのように呼んでいます。細菌感染がきっかけで生じることがおおく、このような場合マクロライドという種類の抗生剤を3ケ月程度内服します。改善しない場合には手術治療を検討することもあります。

副鼻腔真菌症

真菌(カビ)が原因で生じる副鼻腔炎です。最も頻度の高い寄生型は高齢者に多く副鼻腔にカビの塊をつくります。手術治療が必要となります。

鼻出血(はなぢ)

原因は鼻さわり、外傷、鼻炎が多く、腫瘍、また血液の病気、肝臓病、循環器疾患など、出血が止まりにくくなる全身的な病気、さらには内服薬の副作用で生じることもあります。小児では鼻さわりが原因となることが多く、副鼻腔炎や鼻のアレルギーが関係することもあります。副鼻腔炎やアレルギーがある場合にはその治療を行います。出血部が明らかな場合には薬剤を塗布したり、止血用の綿を入れて圧迫したり、出血部の粘膜を焼くなどの治療を行います。外傷など出血が大量の場合には止血手術が必要となることもあります。

鼻内異物

鼻の中に異物が入った状態です。ほとんどが小児に起こります。主なものに、おもちゃ、ティッシュ、ビーズ、などがあります。子供の場合には家族が気づかないこともあり、時間が経って感染を起こし悪臭を伴う色のついた鼻汁が出ることもあります。のどに落ちないよう注意しながら専用の器具を用いて摘出します。

鼻中隔湾曲症

左右の鼻を仕切っている鼻の真ん中の骨がゆがむことにより鼻つまりを起こします。成長過程で生じたり、打撲などの外傷によって起こります。鼻づまりが強い場合には矯正手術を行います。

鼻前庭湿疹・鼻前庭炎

鼻の入り口や鼻毛が生えている部分の皮膚の炎症です。この部の炎症は、細菌感染の関係する鼻炎庭炎と細菌の関与しない鼻前庭湿疹があります。鼻水が多い場合や、鼻をかみすぎる場合に起こります。かゆみや痛みや腫れなどの症状があります。鼻を触らなければ軽快しますが、鼻のかみ過ぎや鼻の触り過ぎで長引くこともあります。炎症を抑えるための軟膏や内服薬を処方します。

肥厚性鼻炎

鼻の粘膜が腫れて鼻づまりを主な症状とする慢性鼻炎です。粘膜の腫脹を軽減させるために点鼻薬や内服薬、漢方薬などを使用します。改善せず鼻呼吸がうまくできない場合には手術を検討することもあります。

加齢性鼻炎

高齢の方で鼻粘膜の機能が低下すると起床時や午前中に鼻みずがたくさん出ます。食事中にも鼻水が垂れてくることもあります。アレルギー性鼻炎に準じた治療や漢方薬治療を行いますが、治りにくいこともあります。

血管運動性鼻炎

くしゃみ、鼻みず、鼻づまりといったアレルギー性鼻炎と同じような症状を起こしますがアレルギー検査で特定の抗体は見つかりません。温度変化がある場合(例えば起床時窓を開けたり、外出した時など)にくしゃみや鼻水が出てきます。原因は不明で鼻粘膜の自律神経が過敏に反応するためと言われています。アレルギー性鼻炎に準じて治療を行います。

薬剤性鼻炎

薬で生じる鼻炎です。血管収縮薬、向精神薬、降圧薬、抗パーキンソン薬などが原因となります。市販の点鼻薬の使い過ぎで生じる鼻炎を点鼻薬性鼻炎と呼びます。原因となる薬剤を中止することが治療の基本となります。市販の点鼻薬の使い過ぎの場合には他の点鼻薬を処方します。

嗅覚障害

鼻から脳にかけてのどこかに異常が発生し、においが分からなくなります。①副鼻腔炎や鼻アレルギーなどで、においの分子が神経まで届かない場合、②風邪の後や薬の副作用のため、においの神経を痛めてしまう場合、③頭の外傷・脳血管障害や脳腫瘍など頭の病気が原因となる場合、の3つにわけられます。アルツハイマー病やパーキンソン病などの初発症状となることもあります。頻度としては副鼻腔炎と風邪後が多いと言われており、加齢も原因となり得ます。耳鼻咽喉科では鼻の診察、におい検査などを行います。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎がある場合にはその治療を行います。風邪後の場合には、ステロイド点鼻治療や薬の内服治療などを行います。血液中の亜鉛の低下を認める場合には亜鉛内服療法を数カ月行ったり、また漢方治療を行うこともあります。近年では、においの刺激を積極的に入れて嗅覚が回復することを促す、においのリハビリが有効であるといわれています。

*新型コロナ感染症の急性嗅覚・味覚障害につきまして
新型コロナ感染症の症状の一つに急性の嗅覚・味覚障害があります。新型コロナウイルス感染症の嗅覚・味覚障害についてはまだ解明されておらず、詳しいことは分かっていません。日本耳鼻咽喉科学会では、急に生じた嗅覚・味覚障害の場合には、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するために新型コロナ相談窓口でご相談いただくようにお願いしています。

後鼻漏

鼻水がのどにおりる、のどにへばりついて咳や痰のからみや咳払い、のどの違和感などの不快な症状を引き起こします。原因としては副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、かぜ、咽頭炎、加齢などがあります。鼻水の分泌量が増えたり、ねばりが増えたり、線毛運動の働きの低下などにより生じます。原疾患があれば原疾患の投薬治療を行いますが、後鼻漏感のみがある場合には難治性のこともあります。鼻すすり、鼻かみ、嚥下運動反復も悪化の一因となります。

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