加齢性めまいにつきまして

セミの鳴く季節になりました。とても蒸し暑いので、家で涼しく過ごそうと思います。 

さて、今回は「バランス感覚の老化」についてお話ししたいと思います。 

体のバランスは、耳(耳石器と三半規管)・目・体性感覚(筋肉や関節など)からの情報が脳でまとめられ、脳から指示が下肢の筋肉などに伝わり維持されています。これらの組織が老化すると、めまいやふらつきが起こりやすくなります。

 耳の三半規管や耳石器は加齢により感覚細胞の数が減ってゆき、耳石器は50歳以上、三半規管は70歳以上になると加齢変化が現れると言われています。眼は調節力の低下で老眼を生じ、目の動きも低下します。体性感覚も老化で変化してゆきます。さらに下肢の筋力の低下によりバランスを維持することが難しくなります。

 加齢性めまいとは、60歳以上の方に3カ月以上つづく慢性的なフワフワ感や不安定感です。めまいのために転倒することや、歩行に問題を生じて行動量が減ることもあり、サルコペニア(全身の筋力低下)やフレイル(介護の必要な状態の手前の活動性の低下した状態)の一因となります。 

高齢の方の明らかな原因のない慢性的なめまいやふらつきには、頭や目を動かして耳と目を慣らすめまいのリハビリテーションに加えて、転倒予防のために下肢の筋力増強を目的としたトレーニングが有効です。具体的には、立位訓練として、つま先立ち、片足立ちや、また歩行訓練などによる筋力増強が良いと言われています。

スギ・ダニ併用舌下免疫療法につきまして

最近は日差しが暑いですね。熱中症にも気を付けなければと思います。

感染予防のためにマスクは必要ですが、暑い時には人込みを避けてマスクを外すなどの対応をしていただきたいと思います。

さて、今回は舌下免疫療法についてお話します。

舌下免疫療法は2014年からスギ花粉症に対して始まり、翌年からはダニのアレルギー性鼻炎にも始まりました。また、2018年からは適応が小児にも広がり、現在は多くの方に治療を受けて頂くことができるようになっています。

対象となるのは、スギ花粉症とダニのアレルギー性鼻炎です。他のアレルギー疾患に対する適応はありません。

・併用療法について

アレルギー性鼻炎の方にはスギとダニの両方に悩まされている方も多くいらっしゃいます。そのため、スギとダニの併用舌下免疫療法も行われるようになってきました。

治療期間が3~5年と長期になりますので、同時に治療できることは患者様にとっても有益だと思います。

併用療法では、まず片方から開始し、維持期になった後(1か月以上経過した後)にもう1つの治療を開始します。どちらをはじめに開始しても安全性に問題はないと言われています。

・小児について

小児では安全に治療を行えるかどうかが大切で、舌の下に1分間うまく維持できるかどうか、また服用前後2時間に強い運動を避けることができるかどうかがポイントとなります。

小児の場合、食物アレルギー・気管支喘息・アトピー性皮膚炎もお持ちの方もいらっしゃいます。免疫療法を行うことで、それらが悪化する可能性や強めの副作用が出る可能性もありますので、小児科や皮膚科の主治医の先生と相談の上検討されることをおすすめいたします。

当院でも舌下免疫療法を行っておられる患者様が増えてきました。

ご希望の方はお気軽にご相談ください。