加齢性めまいにつきまして

セミの鳴く季節になりました。とても蒸し暑いので、家で涼しく過ごそうと思います。 

さて、今回は「バランス感覚の老化」についてお話ししたいと思います。 

体のバランスは、耳(耳石器と三半規管)・目・体性感覚(筋肉や関節など)からの情報が脳でまとめられ、脳から指示が下肢の筋肉などに伝わり維持されています。これらの組織が老化すると、めまいやふらつきが起こりやすくなります。

 耳の三半規管や耳石器は加齢により感覚細胞の数が減ってゆき、耳石器は50歳以上、三半規管は70歳以上になると加齢変化が現れると言われています。眼は調節力の低下で老眼を生じ、目の動きも低下します。体性感覚も老化で変化してゆきます。さらに下肢の筋力の低下によりバランスを維持することが難しくなります。

 加齢性めまいとは、60歳以上の方に3カ月以上つづく慢性的なフワフワ感や不安定感です。めまいのために転倒することや、歩行に問題を生じて行動量が減ることもあり、サルコペニア(全身の筋力低下)やフレイル(介護の必要な状態の手前の活動性の低下した状態)の一因となります。 

高齢の方の明らかな原因のない慢性的なめまいやふらつきには、頭や目を動かして耳と目を慣らすめまいのリハビリテーションに加えて、転倒予防のために下肢の筋力増強を目的としたトレーニングが有効です。具体的には、立位訓練として、つま先立ち、片足立ちや、また歩行訓練などによる筋力増強が良いと言われています。