めまいの漢方治療につきまして

季節の変わり目はめまいで来院される患者様が多くなります。

耳と関連するめまいとしては、メニエル病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などがあります。他にもめまいの原因は多岐にわたり、脳神経科領域、循環器系、自律神経、ストレス性のめまいなどがあります。

西洋医学的には内耳の血流を改善するめまい薬を処方しますが、今回は漢方薬につきましてお話します。

漢方医学的には、めまいは、元気が余っていたり不足していたり、体の水分調節の偏在や血液の滞り、ストレスなどから生じると考えられており、それらの偏った状態を元の状態に戻すお薬を選択します。

漢方薬は個々の生薬(植物や動物などから薬効がある根や種、葉などの部分を加工したもの)の組み合わせで非常に多くの種類があります。

めまいに関しては、水分調節を必要とする場合に使用する五苓散、水分調節とイライラやストレスを改善させる苓桂朮甘湯、胃腸の調子が良くなく元気がでなくてフラフラする方に用いる半夏白朮天麻湯、冷えが強く水分調節がうまくできない方に体を温める作用の強い真武湯、また血液の流れが良くなくてめまいが生じている方には血の滞りを改善する生薬の配合された漢方薬をそれぞれ患者様の状態をみながら選択します。

漢方薬は粉薬であるものが多く独特のにおいや味がありますが日々快適にお過ごしいただくために試してみることも良いかと思います。

花粉症につきまして

年末は比較的暖かく、年始はとても寒く、その後は黄砂が飛散し、また今は寒波が到来しています。気候の変化に合わせて体調に気を付けたいと実感しています。

さて、今年の大阪のスギ・ヒノキ花粉症についてお話させていただきます。

日本気象協会によると、飛散開始は、昨年と同様に2月中旬になる見込みです。

ピークは、スギ花粉が3月上旬から中旬、ヒノキ花粉は4月上旬と予測されています。

花粉飛散量は、例年並みと予測されています。

2025年春の花粉飛散量は多く、一般的に飛散量が多い年の翌年は雄花の形成が減少する傾向がみられますが、2025年夏は高温で日照時間が長く気象条件は雄花が形成されやすいものとなりました。

花粉が本格的に飛び始める前から薬を使用することにより、花粉シーズン中の症状を軽くすることができます。当院でも、1月に入り花粉症の患者様が少しずつ来院されています。例年の症状の程度によっては、早めにお薬をご準備いただくことをお勧めいたします。

難聴と認知症につきまして

朝夕が涼しくなり、快晴の日はすがすがしい季節となりました。

今回は難聴と認知症についてお話ししたいと思います。

国際的な医学雑誌に、高血圧・肥満・糖尿病・高脂血症・喫煙・社会的孤独・過度の飲酒・運動不足などとともに、難聴が認知症の危険因子の一つであることが示されました。

難聴で他の人とのコミュニケーションが少なくなると、活動性が低下したり、精神的に抑うつになったり、孤立・孤独といった社会的リスクにつながるためだと言われています。

その機序としては、難聴の人は聴力正常の人に比べて、音の情報を処理するために脳の労力をたくさん取られてしまうため、より高次の脳活動を行うことが難しくなり脳の萎縮が加速する説、難聴になると人と会って話したりすることが少なくなるために脳が萎縮し認知機能が低下する説、耳から脳に情報が届かなくなるため脳の活動が減って萎縮するなどの説があると言われています。(日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会HPより引用)

年を取ると耳が遠くなることは当たり前だから仕方ないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、放置すればこのように認知症となってしまう危険性がありますので、耳の聞こえにくい方には耳鼻咽喉科受診をお勧めします。

中耳炎や耳垢などによる難聴は治療で改善することもあります。また加齢による難聴は補聴器の使用をお勧めします。最近の補聴器はデザイン性が優れているものや、スマートフォンと連動させるなど高機能のものもあります。

難聴に適切に対処して、長く健康的に毎日を過ごしていただきたいと思います。

めまい検査につきまして

非常に暑い日が続きます。こまめに水分を取ること、体を冷やすこと、十分な休息をとることが必要だと実感しています。

さて今回はめまい検査についてお話します。めまいの患者様は脳神経外科や内科を受診され、脳神経や循環器に異常がなければ耳鼻科受診を勧められることが多いです。

耳からのめまいは三半規管の異常で生じるためにぐるぐると回る回転性となることが多いといわれます。

耳鼻科では、問診と鼓膜などの診察を行います。検査は、メニエル病の可能性も考えて聴力検査を行ったり、検査用のメガネを装着していただき特徴的な眼球の運動(眼振)があるかを確認します。

大きな総合病院などでは三半規管の働きを詳しく調べるために、耳の中に冷水や温水を入れてめまいを誘発して眼振を観察することもあります。冷水や温水で三半規管の中のリンパ液の動きが誘導されると回転性めまいが生じます。三半規管の機能低下がある場合には誘発される眼振が弱くなるので、内耳性めまいの診断に有用です。

最近は猛暑のため首や頭にひんやりグッズを当てることも多いかと思いますが、耳を冷やすとこのような機序でめまいを生じる可能性がありますので、耳を冷やさないようにご注意いただきたいと思います。また、発熱時に頭に氷枕を敷いて横向きで寝ると同様の機序でめまいを生じて気持ちが悪くなることもありますのでお気をつけいただきたいと思います。

小児のアレルギー性鼻炎につきまして

むし暑い季節となりました。エアコンをつけると寒く感じたりエアコンを消すとむし暑く感じたり、寒暖の感覚がよくわからない感じです。

この季節は学校健診が終わり、「鼻炎」と記載された用紙を持参される方が多くいらっしゃいます。

小児のアレルギー性鼻炎の頻度は、0-4歳は約5%、5-9歳は約20%、10-19歳は約38%で大きくなるにつれて増えます。また過去と比べても増加しています。

小児のアレルギー性鼻炎は成人とは違う特徴があります。

鼻の中が小さく鼻がつまりやすい、かゆみのために鼻を触ったり眼を掻いたりしやすい、風邪など感染の合併を伴いやすいことなどがあります。

診断のためには、診察所見やアレルギー血液検査だけでなく問診が重要です。小児は自分から訴えることが少ないため保護者の方に教えていただくことが大切です。

治療は、抗原回避対策を行う環境整備、薬物治療、免疫療法、手術治療などがあります。

薬は錠剤やドライシロップ、シロップなどの剤形や、点鼻薬、点眼薬などがあります。またスギ花粉やダニアレルギーの方に対しては、6歳以上となれば舌下免疫療法も行うことができます。手術は鼻つまりがひどく困っておられる方に対して考慮することとなっています。

学校や運動も含めて日々の生活に支障のない程度に症状を安定した状態にすることが治療の目標となります。

ご参考にしていただき日々快適にお過ごしいただきたいと思います。

言葉の聞き取りの検査につきまして

新緑の季節となりました。木々の緑が青空に映えて美しく感じるこの頃です。

昨年、私は自分の聞こえの検査を行いました。今回はその続きで、言葉の聞き取り検査を行ってみました。この検査は大きい言葉から始まりだんだん声が小さくなっていきます。

前回同様に、かなり集中力を持って臨みました。結果、両耳とも言葉の聞き取りは問題ありませんでした。

下の図は結果の表です。30デシベルという大きさの声で両耳とも100%の正解率でした。

年を取ると主に高い音から聞こえが低下します。子音は高音に属しますので、「し」、「ひ」、「ち」など子音の聞き分けが難しくなります。その結果、「白い」を「広い」などと聞き間違えてしまうといわれています。

私自身も周囲に雑音があると聞き取れないと感じることや聞き返すことが増えてきたように思います。今後もっと高度な検査が発明されれば私の聞き取りにくいと感じる事にも何か客観的な評価ができるかもしれないと思いますが、ひとまず今回の検査で異常がなかったことを安心しておこうと思いました。

スギ花粉症につきまして

とても寒い時期となっています。雪が舞う日もあり毎日凍える思いで出勤しています。

今回は、2025年の花粉症についてです。

東京では1月8日に飛散開始となりました。これは調査開始以来最も早いそうです。

日本気象協会によると、大阪では2月中旬には飛散開始となる見込みです。花粉飛散量は、昨年夏の気温が高く日照時間が長かったため、非常に多いとされており昨年の2倍以上のところもあるようです。

スギ花粉のピークは大阪では3月上旬~中旬、ヒノキ花粉は3月下旬~4月上旬と予測されています。

花粉症症状が強いと労働や学業に影響するといわれます。これは、鼻がつまるため睡眠不足になったり、症状が煩わしくて物事に集中できずイライラしてしまったりするためです。できるだけ室内に花粉を持ち込まない、空気清浄機や加湿器を使うなどして気を付けていただきたいと思います。

また毎年投薬治療を行っている方は、花粉飛散開始までに花粉症のお薬をご準備いただくことをお勧めします。

マイナンバー保険証につきまして

寒くて風が冷たい時期となりました。風邪の患者様やインフルエンザの方も来院されており、寒さに気を付けて過ごしている日々です。

今月より健康保険証の新規発行が終了となりました。マイナンバー保険証のご持参の患者様も少しずつ増えています。

マイナンバー保険証による保険資格の確認は、スムーズに進むと便利で簡単に確認ができます。しかし、ニュースなどでは確認機器の不具合が生じたり、個人情報が間違っていたりなどの問題に見舞われている施設もあるようです。

当院では、今のところマイナンバー保険証による大きなトラブルが生じたことはないのですが、当院スタッフはまだこの業務に十分に慣れているとは言えませんので、オンラインでうまく資格の確認がうまくできない場合には、患者様の診療が遅れたり、医療費の一時的な自費負担の可能性などのご迷惑をおかけすることが考えられます。

このようなトラブルを防ぐために、可能でしたらできるだけ従来の健康保険証もあわせてご持参いただけると助かります。現在の保険証は、転職や転居などの情報の変更がなければ、国保は来年10月31日まで、後期高齢者医療は7月31日まで、協会けんぽは12月1日まで有効となっておりますので、万が一マイナンバー保険証での資格の確認がうまくできない場合には従来の健康保険証を確認させていただきたいと思います。

ご来院される患者様には大変ご面倒をおかけいたしますがよろしくお願い申し上げます。

聴力検査について

朝晩が肌寒くなり、晴れた日には透き通った清々しさを感じる季節となりました。

さて、今回は自分の聴力を調べてみることにしました。

患者様と同じように聴力検査室に入って検査を行います。かなり集中していましたので、終わった時点で疲労感がありました。患者様は比較的長い時間をかけて検査をされますので、今回その大変さが理解できました。

下の表は検査の結果です。赤い〇は右耳を、青い×は左耳を測定したものです。周波数は左ほど低い音を、右ほど高い音を表しています。縦軸の聴力レベルは25デシベルよりも上であれば正常となります。

これは単純に音が聞こえるかどうかの検査ですので、この検査結果が正常でも言葉の聞き取りが悪いこともあります。

また、耳の聞き取り能力だけでなく、話す相手のしゃべり方、声の大きさ、声の質、雑音などの周囲の環境によっても言葉の聞き取りは変わってきますので、やはり聞き取りにくさの評価は難しいと感じます。

聞き取り困難症/聴覚情報処理障害につきまして

暑い日が続いております。あまりに暑いのでエアコンを使用するのですがエアコンの温度管理がうまくいかない時には体が冷えますので体調管理が難しいと感じているこの頃です。

さて、以前のブログでも「聞き取りにくさ」についてお話ししたことがあります。

聞き取りにくいと感じておられる方の中で、静かなところや、1対1での会話では問題がないのに、複数の人との会話や騒がしいところでは聞きたい言葉が聞き取れない方がおられます。

このような方の中で、音の聞こえの検査や言葉の聞き取り検査で異常を認めない場合には「聞き取り困難症」を疑います。日本では120 万人程度の患者さんが存在する可能性があると考えられており、主に職場での会話や学校の授業が聞き取れなくて困られることが多いです。

診断には耳鼻咽喉科の診察と聴力検査を行い、耳垢や中耳炎や難聴などの異常があるかどうかを確認し、異常を認めない場合に聞き取り困難症の可能性を考えます。

聞き取り困難症は、聴覚情報を処理する部分の問題だけではなく、認知、特に注意の問題、記憶の問題、語彙や理解など言語の問題などが複合的に関係していると考えられています。病態を把握するために聴覚情報処理や、発達などの検査を行うことが望ましいとされておりますので、疑われる患者様は病院へ紹介させていただくことがあります。

聞き取り困難症に対する対応としては、補聴援助システムを利用したり、騒音抑制機能付きデジタル耳栓を用いることが有効な場合があります。また個々の患者様の聞き取りにくさに応じた対策・適応策を考えること、周囲の方々の理解を深めてどのように支援するかを考えることなどが重要と言われています。