中耳炎の経過につきまして

最近は20℃を超えて暑くなったり、冬の様な冷たい風が吹く日もあったりなど体調管理が難しい季節となりました。

さて今回は、中耳炎の経過についてお話したいと思います。

中耳炎は子どもに多い病気です。中耳炎は鼓膜の奥にある中耳に炎症を起こした状態です。

急性中耳炎は感染によって中耳に膿がたまり、発熱や耳の痛みが生じる疾患です。下図の一番左側の写真は急性中耳炎です。この患者様は発熱で受診されました。中耳には膿がたまって鼓膜が赤くなって腫れています。

このような場合には投薬治療を行って頂き、その後受診された時が真ん中の写真です。鼓膜が赤く腫れていた状態が治まり、膿からオレンジ色の滲出液という液がたまった状態になっています。これが滲出性中耳炎です。

鼻水が続いていたのでしばらく鼻の治療を続けた後の写真が一番右です。滲出液もなくなり治癒されました。

治療としては中耳炎の治療に加えて、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など鼻の病気を認める場合には鼻の治療も合わせて行う必要があります。

滲出性中耳炎が3カ月上続いていて、鼓膜の病的な状態が続いたり難聴が中程度以上ある場合には、鼓膜に換気チューブを留置する手術を検討します。

一般的には中耳炎はこのような経過をたどりますが、滲出性中耳炎の状態まで改善しても、その後滲出液がなかなか治りきらない場合や、再度膿がたまることもあります。

中耳炎はご家庭では治ったかどうかわからないので、耳鼻咽喉科で診察してもらっていただきたいと思います。