耳の異物につきまして

朝はかなり冷え込んで冬の寒さになりました。日中は日差しがあると暑いときもありますが、また夕方になると急に冷えてくるので、寒さで体を冷やさないように気をつけたいものです。

さて今回は、耳の異物についておはなししたいと思います。

耳の異物を外耳道異物と言います。

異物には様々なものがあります。ゴキブリなどの昆虫、豆などの食品、綿棒の綿、また髪の毛やペットの毛などが耳に入ってしまったり、お子様では小さなおもちゃやビーズなどを耳に入れてしまうことがあります。

   髪の毛        ペット用の石       粘土

症状としては耳の中で音がする、耳の違和感やつまり感、また炎症を起こした時や昆虫が耳の中で動くと痛みが出ることもあります。お子さんでは症状の訴えが少なく、発見まで時間がかかることもあります。

耳鼻咽喉科では、耳の内視鏡を用いて異物があるかを確認します。異物があればどんなものかを確認します。虫であれば生きているかどうかも確認する必要があります。生きている虫が入り込んでいる場合にはあらかじめ麻酔薬で虫を弱らせておく必要があります。

異物を確認出来たら、ピンセットなどの器具を用いて摘出します。

摘出後はもう一度内視鏡で耳の診察を行います。耳の穴の中が赤くなったり腫れたりしていないか、鼓膜は正常かなどを確認します。多くの場合にはその後の治療は必要ないのですが、炎症が強く起きている場合には薬の治療を行うこともあります。

 右耳にビーズを認めます   摘出後は外耳の発赤を認めます

小さなお子さんのいるご家庭では、耳だけなく、鼻やのどに何でも入れてしまう危険性がありますので、小さなものはお子さんの手の届くところに置かないように気をつけて頂きたいと思います。

虫が耳に入りこんだ可能性があるようでしたら、あらかじめその旨をお伝えいただければ参考になりますのでお願いいたします。