風味障害につきまして

4月も終わりとなり、春の花粉症の時期もそろそろ落ち着いてきました。

本年のスギ・ヒノキ花粉症は飛散量が多かったため、例年に比べて症状が悪化された方が多く、いつもの薬が効かないと仰られていました。

花粉症は、くしゃみ、鼻水、鼻つまり、目のかゆみといった典型的な症状のほかに、頭が重い、皮膚がかゆい、のどが痛い・イガイガする、いびきが悪化した、眠れないなどの症状も生じます。

そんな中で味が分かりにくい、食べ物がおいしくないと訴えられる方が何人かおられました。

お話を伺いましたら、塩は塩辛い、砂糖は甘いなどの味はわかるのですが、微妙なおいしさや味のさじ加減が分かりにくいという事でした。

これは、風味障害といって、鼻づまりでにおいが分かりにくくなるために味もわかりにくくなる状態です。

風味とは辞書で調べますと、飲食物のかおりや味わいとあります。珈琲や紅茶の香り、イチゴ味やバナナ味なども風味です。食事をおいしく食べるためには、味と匂いの両方が正常に働いて初めておいしいと自覚できるのです

風味障害は味覚障害全体からすると約6~7%程度といわれています。また、新型コロナ感染で味覚低下をきたした方も風味障害の可能性があると報告されています。

風味障害の治療は鼻の(においの)治療を行うことです。

今回花粉症で風味障害を訴えられた方々はそろそろ花粉症も終わりですので改善されていると考えられますが、花粉症状が改善しても治りにくい場合には風味障害ではない可能性も考えられますので病院で相談されることをお勧めいたします。

美味しそうにご飯を食べる男性のイラスト