旅行や帰省で起こる耳鼻科の疾患につきまして

今年も年末となり、残すところあと数日となりました。

今年は行動制限がありませんので、年末年始には旅行や帰省などを計画されておられる方も多いと思います。

新型コロナ感染症数や季節性インフルエンザは増加傾向ですので、基本的な感染対策を行ってお気をつけいただきたいと思います。

さて、旅行や帰省によって生じる耳鼻咽喉科の病気としては、風邪やインフルエンザ、新型コロナなどの感染症以外にもあります。今回はこれらについてお話したいと思います。

まずは乗り物酔いです。乗り物酔いは内耳のバランス感覚と目の視覚情報が一致しないために自律神経が混乱して生じると言われています。対策としては、充分な睡眠、空腹や満腹を避ける、お薬を準備しておくことです。乗っている時には進行方向を向く、揺れの少ない場所に乗る、遠くの景色を眺める、換気の良いところにいることなども大切です。

二番目は航空性中耳炎です。飛行機に乗っている時に気圧の急激な変化により生じ、特に下降時に起こりやすいと言われています。水などの飲み物を飲んだり、アメやガムを食べる、あくびをするなどで予防して頂きたいと思います。可能な方は耳抜きを行っていただくことも効果的です。軽症では数時間以内に治りますが、鎮痛剤でも痛みが取れない場合や聞こえまで悪くなった場合には、なるべくはやめに耳鼻咽喉科の診察を受けて頂きたいと思います。

最後にアレルギー性鼻炎です。実家に帰ると鼻水くしゃみを連発したり、鼻症状だけでなく咳や喘鳴などの症状のためつらい思いをされる方もおられます。ほこりやダニ、ペットなどの動物のアレルギーが原因として考えられます。予防としてお薬を事前に準備しておくことが大切ですが、帰省中にもよく休むなど体調管理を行っていただきたいと思います。

寒い日が続きますがお体を冷やさず暖かくして、楽しい年末年始をお過ごし頂きたいと思います。